「地獄への道は善意で敷きつめられている」
2024年10月5日
「善意」は人々を幸福に導く――ふつう、私たちはそう思う。逆に、「悪意」こそ人々に不幸をもたらす、と。
なのに、「地獄への道は善意で敷きつめられている」とは、いったいどういうことか
西行 「何事のおはしますをば知らねども かたじけなさに涙こぼるる」
2024年4月12日
【遺された言葉たち⑥】 西行の目の前に「おはします」のは、山や森、滝であり、ときに神社、お寺だったかもしれない。いやもっといえば、万物である。
小林秀雄「女は俺が成熟する場所だった。書物に傍線をほどこしてはこの世を……」
2024年1月7日
書物に傍線をひいて世界を理解しようとするのは、観念の自然過程にすぎない。
これを「小癪な夢」として壊されたとき、人はなにごとかをつかめる。
与謝野晶子「清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき」
2023年12月22日
【遺された言葉たち】② 二十歳前後でこの歌に出会ったころ、私は「こよひ逢ふ人みなうつくしき」との心情をとても抱けない情況にあった。
マルクス「君は愛をただ愛とだけ、交換できるのだ」
2023年12月15日
【遺された言葉たち】① ~刻まれ、今も消えない言葉~ 君は愛をただ愛とだけ、信頼をただ信頼とだけ、その他同様に交換できるのだ。 カール・マルクス『経済学・哲学草稿』(城塚登・田中吉六訳) 美しい宣言である。 「愛をただ […]