はじめに

Ⅰ部 「ありがとう」の構造

1 「ありがとう」の世界
1-1 列島でもっとも多く使われる言葉
1-2 「ありがとう」の組み立てと歴史

2 「ある」――西欧と列島の違い
2-1 つくられた「ある」 なりなりて「ある」
2-2 「ある」を支配する「人間絶対主義」の誕生

3 「かたじけない」「すまない」「もったいない」
3-1 「かたじけない」「もったいない」
3-2 「すまない」と「負い」
3-3 「負い」を忘れた人間は

4 「負い」のかたち
4-1 本居宣長の「あわれ」という感慨
4-2 親鸞が受けとめた「存在の光」
4-3 石川啄木の人生の「負債(おいめ)」
4-4 太宰治の「はにかみ」

Ⅱ部 列島文化の負性

5 カミから神へ
5-1 カミの語源
5-2 災厄が「たたり」となるとき

6 存在の召しあげ
6-1 「宗教的」か「無宗教的」か
6-2 生成の掌握
6-3 存在の召しあげ
6-4 「鮮やかな転換」と「所を得る」

Ⅲ部 今日の課題 ~脱近代への道~

7 近代の主役「科学と経済」への疑い
7-1 拷問で口を割らせる科学
7-2 ケインズとマルクスの予言にみえる二段階論

8 二項の対立を超えて
8-1 二人のノーベル文学賞作家 川端康成と大江健三郎
8-2 保守と革新という同床異夢
8-3 生産と消費の止揚 「労働」から「感(はたら)く」へ 
8-4 OSとしての「列島の存在観」
8-5 「われわれ日本人のできる仕事」

おわりに